オレの勇気は死なないっ!

勇者王ガオガイガーFINAL.07 (2002年)

- ガオガイガーの勇気 -

 ちょっと前に日記に書いた『ガオガイガーFINAL』について、今日は語ってみようと思う。

 ホントはね、完結してから自分なりに、総括しようと思っていたんだけどね――
 だって、この時点で変な解釈をして、外れちゃったらみっともないじゃん(笑)

 けどネットとかでもあまりに盛り上がらないもんだから、ちょっとした欲求不満になっちゃったんデス。
 もう、何でもいいから書いておきたい、と(苦笑)

 で、確かにこの7巻、クライマックス直前の「さぁ、これから」ってトコロで終わってるのは事実なんだけどさ。
 だけど、それだけじゃないでしょ?
 既出のように、私はかなりの衝撃を受けてしまったのですよ。
 物語の構造がやっと見えてきた、ってゆーか……

 結局、『コピーされた地球』での遊星種たちとGGGの戦いは、そのままホンモノの地球でのカタストロフにシンクロしているんですよね。

 『医者』に『死神』に『SMの女王』などなど……彼ら遊星種とは、『知的生命(人類)』の持っている『文明の業』そのものなんです。

   ――で、それに立ち向かうは『炎』『氷』『風』『雷』『音』――『光』と『闇』といった『世界を構成する基本要素』――そしてその上で生を営む『陸海空の獣』と『原初的なヒト』そのもの。

 それら『根源的な存在』と、『行き詰まった人類文明』との最終決戦を、『コピーされた地球』というメタフィクショナルな『舞台』上で、まるで荘厳なオペラのように展開していく。
 『医者』が天使で、『本能のみで存在する生命体』を悪魔に見立て――
 復元と破壊が激突し、嵐は雷雲を呼び、大地は唸りを上げる。
 勿論その舞台に、観客が介入する事などできはしない。
 遥かなる巨人たちの戦いは、ヒトの存在しない地球上で、限りない破壊と共に始まろうとしているのだ。
 まさに、それは……『神話(マイソロジー)』

 人類はこの最終局面に、ただ怯え自ら作り上げた『家』の中に篭るだけ。
 彼らの希望は、そんな『復元のプラグラムたち』にたてつく叛逆の勇者たちのみ。
 頭上には、まるで死兆星のごときギャレオリア彗星群が……

 しかしこのギャレオリア彗星群が、ESウインドの役割をしているのならば――

 ……ふう、ここまでただ漠然と感じた事を書き連ねてみたが、やはり凄い展開であるとしか言いようがないっす。
 幾分プライベートなドラマが置き去りにされている様にも取れるが、『護〜ガイ〜命』の絆がキチンと描かれている為、ヒトとしての最低限のリアリティも確保してある。
 やはりドラマの基盤となるのは、今も昔もキャラクターたちの極めて個人的な想いなんだよね。
 だからこそ、これほどに観念的な物語がエンターティメントとして成立してるんだもん。

 ただ米たに監督の『生命体』の捉え方――基本理念ってヤツは今までと比べても、もう全然変わってなくてさ。

 おそらくルネ(女性)のGストーンだからこそ、ソルダートJ(男性)のJジュエルと邂逅できたんだろうし――(つまりガイのGストーンじゃ、駄目だったと)
 マモルは、どいういう形であれ、父(カイン)を超えなければならないのだろう。

 それこそが『TV版ガオガイガー』『ベターマン』『まりんとメラン』で、米たに監督が描いてきた『人類の種としてのありよう』なんだろうし、揺ぎ無き『希望』でもあるんだろう。
 あと、行き詰まった人類に必要なものと言えば……


   そう、目の前の壁をブロークン・マグナムで打ち砕き――

 迷わずに先(未来)へと突き進む、純然とした『勇気』だけなんだ!


   はぁ〜 スッキリした(笑)  

2002年10月10日(木) 




勇者王ガオガイガーFINAL.08 (2003年)

- 遥かなる巨人たちの神話 -

 『勇者王ガオガイガーFINAL』、遂に完結いたしました!

 色々と不安要素はあったんですがねぇ〜
 見事なまでに「いつもの米たに節」で最後を締め括っており、もう惜しみない拍手を送りまする〜!

 とはいえ――正直に言えば、観ていてスンゴク疲れたんですよね。
 1時間弱の尺なんですけど、神経を使ったってゆーか、テンション高すぎたってゆーか、高密度な映像に意識が飽和しちゃったってゆーか……
 面白くても疲れるって事、あるんですね〜(笑)

 まず映像的なところで言わせて貰えば――
 今までにも様々な巨大ロボによる殺陣がありましたが、このFINALほど凄みのある映像のオンパレードはなかったんじゃないのか?
 ビッグ・ボルフォッグの三位一体から4000マグナムを敵の額に突きつけるまでのシーンには、ある種の美学すら感じるし――
 EI-01戦でのデータを元に開発されたという天龍神の、反射板を利用したレーザー攻撃や内蔵型弾丸X(!)の設定には、思わず膝を叩いたり。
 マイクの攻撃用ディスクがガオファイガーなのは、報われなかった主役メカへのサービス?――とか(笑)
 そしてジェネシックが魅せる、明日のジョーばりの必殺クロスカウンターに、ドツキ詠唱ヘル・アンド・ヘブン――等など、もう最高〜っす!

 しかし何回壊しても、しつこく再生してくる遊星種たち。

 ――とまぁ、ここら辺でいい加減、ある事に気付くワケだが。

 繰り返される、勝利と敗北――
 それは生命体の存在する世界でも永遠に終わることのない、破壊と再生。
 ストレートに言えば、死と生の果てしない繰り返し……
 幾度となく肉体は滅び、物質は消滅しても、未来を望む意思(魂)さえあれば、いつかはきっと――
 これが、ガオガイガーにおける「勇気」の定義。

 永遠の繁栄と快楽を望み、築き上げてきた旧来の文明。
 しかし古き人類文明の殻をやぶり(破壊し)、新たなステージへと駆け登る。
 これが、ガオガイガーのファンタジー。 

 無限情報サーキット『Gストーン』 VS 無限の再生能力を持つ『パスキューマシーン』

 自滅するしかなかった文明を、もう一度そのまま再生してもしょうがないのだ。
 そこで登場するのが、ロボット武装強化によるインフレーションの行き着く先ともいえる、究極の破壊兵器――
 メガトンツール『ゴルディオン・クラッシャー』だっ!
 こいつについては、もう何も言うまい(笑)
 そのハンマーコネクトも含み、ただひたすらに壮絶(ガオファイガー用に開発されたって設定も、上手い演出になっているもんなぁ)

 とにかく勇者たちは見事に未来を掴み取り、それにより――何と三重連太陽系も本当の意味で滅びずにすむ。
 このスキのないクライマックスは、まさに「お見事!」――ってなもんである(笑)


 ただねぇ……
 やはりこの監督は、キャラクターに容赦ないのだ。
 いくらでも甘ったるいハッピーエンドにできるのに、理屈が通らないとそうしないもんな。
 ――とはいっても、護と戒道以外のGGG隊員が地球に帰還できないラストの事を言っているんじゃないよ。
   マニージマシーンで辛うじて生を繋ぐ命は、結局未覚醒のままだし――
 おそらくはエヴォリュダー・ガイも、朽ち果てたジェネシックと共にあの中で――
 護たちへの最後の挨拶も、魂状態だったし。
 つまりラストの時点で彼ら2人は、肉体的に死んだまんまなのだな(劇中で詳しい説明はないが、ね)

   ま、勇者ロボ軍団も含め、連中があのまま死んじまうとは到底思えないのだが(笑)

 そうそう、パピヨンの最後も、上手い見せ方だった。
 宇宙服の中身だけが消滅してしまう、っていうアレ。
 しかもその最後を看取るのが猿頭寺ただ一人ってのも、これまたイイ!

 ……

 ツラツラと書いてきたが、まだ自分の中で今作が整理しきれてないみたい(苦笑)
 足掛け5年で観てきたガオガイガーが、ようやく完結したんだもん。  思い入れも、かなり大きくなってるしな。
 でも、まぁ難しい事はともかく、素直に楽しめたんだし、いちファンとしてスタッフには感謝しなきゃね。

 そうそう、この最終巻、何が嬉しかったって――

 魂になっても、なお――
 「ガイ、やっちゃえ〜!」と、元気いっぱいに拳を振り上げる命嬢が観れた事だな(笑)


 懐かしさとともに、いつまでも変わらぬ君の佇まいに、少しばかりの安らぎを覚えつつ……
   

2003年3月22日(土) 



ジェネシック……プログラム、ドラ〜イブッ!
Great scene select


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