――とまぁこんな感じにね、リアルにディティールを描写すればするほど、人類文明の限界をイヤというくらい実感していく事になるわけなんですな。
そしてこういった物語構造が、実はこの作品の重要な“肝”となるんです。
地球の衛星軌道を離れ外宇宙に飛び出すこととなった“月”は、我々の想像を絶する数々の苦難や無理難題を、“人類の代表者たち”(つまりはアルファのメンバー)にぶつけてくるわけだ。
それはオーバーテクノロジーを持つ異星人たちであったり……
ブラックホールのような“自然現象”であったり……
イドの怪物が巣くう惑星だったり……
時空を超えるタイム・パラドックスであったり……
とにかく何事に出会っても、人類は一方的に不利なんだよねぇ。
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